そんな中途半端な気持ちと、狙いを絞りこめられない曖昧さが実釣に真面に影響した。
夕マズメを迎へ、怒涛の勢いで湾内へ入ってくるデカアジの群れ・・・
にも関わらず、アタリすらないのである。
いつもだとやっちまうパターンであるがこの日は少し違った。
今まで積み重ねてきた僅かな経験値で地合いのアジから
速攻でメバルへとターゲットをシフトした。
勿論得意のプラッキングゲームだ。
これが功を奏す結果につながった。
サイズこそ今一つの20cmアベレージサイズだったが
面白いほど連発した。
この時『今日はいけるぞっ!』という、根拠のない思いを感じた。
地合いが終わり宴会が始まった。
いつもは宴会後、朝までテントで仮眠をとるが
この日は少し粘ってみることにした。
満潮から引き初めの24時頃だった。
ポイントは真っ暗闇の擦れていないポイントだ。
釣り人心理というのか、波止の先端や、常夜灯明かりの効いた
ポイントは多くの釣り人が際限なくキャストを繰り返しているため
大型は望めないことが多いゆえに、誰も打っていないポイントこそが
格好のメバルポイントとなる場合が多いのだ。
予感は的中した。1投目からトップでかすかな突き上げるアタリ
間違いなくいる。
2投目でそれはやってきた。根の多いポイントのため強めに閉めていた
ドラグ音が『ヂーッ』と激しく鳴り、ラインが勢いよく引っ張り出される。
快感である・・・。しかもシッカリとフッキングしている感触。
『バラしてなるもんか・・・!』と慎重かつ大胆にリールを巻いた。
この日は僕の勝利であった。実測31cm、体高のあるブルーバックだ。
その後すぐに2匹目が、これもグラマラスな29cmのブルーバックであった。
イってしまいそうだった。
尺メバルを求めて何年たっただろうか・・・やっと念願が叶った。
最高だっ!
この日は31cmを筆頭に14匹の良型メバルをお土産にできた。